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2012/02/26

Flexの将来

Adobeがモバイル向けFlash Playerのサポート停止とFlex SDKのオープンソースコミュニティへの寄贈を発表して以来、いろいろな情報や憶測が錯綜していたが、先週改めてAdobeから「FlexについてのAdobeの見解と今後の関わり方」(Adobe's view of Flex and its commitments to Flex in the future)という文書が公開されていたようなので、以下に簡単に要約してみた。



Flexの位置づけとAdobeが果たす役割

  • Adobe Flexは大規模なエンタープライズアプリケーション開発に適したアプリケーションフレームワークであったし、それは今後も変わらない。HTMLの進化は早いが、今後数年間はまだFlexが最適なソリューションである可能性がある。
  • Adobe Flex SDKはApache Flexプロジェクトに寄贈し、Apache Flex SDKになる。
  • Apache FlexプロジェクトはFlex SDKのメンテナンスとエンハンスをおこなう。一方Adobeは、開発ツールとFlashランタイム (Flash PlayerとAIR) をサポートしていく。
  • AdobeはApachにFlex SDKと関連技術を寄贈するとともに、フルタイムのFlex SDKエンジニアチームも提供する。Flexに従事するAdobeのエンジニアの人数は減るが、開発コミュニティと協力することでFlexに関わるアクティブなエンジニアの総数は増える。

Apacheに寄贈されるもの

  • Flex SDK
    これにはコアSDK、オートメーションライブラリ、AIR SDKのバイナリファイル、ドキュメント、仕様書、まだリリースしてないSparkコンポーネント群が含まれる。
  • Falcon Compiler
    現在開発中の次世代ActionScriptコンパイラ。
  • Falcon JS Compiler
    JavaScriptを出力ターゲットとした実験的なASコンパイラ。
  • Mustella
    AdobeがFlex SDKのテストのために開発・利用していたテスティングフレームワーク。
  • BlazeDS
    後に出てくるようにLCDSは寄贈されない。
  • Flex SDKのエンジニアチーム
    重大なバグとセキュリティ問題については過去のFlex SDKに対しても対応する。

今後もAdobeが自社開発を継続するもの

  • デスクトップブラウザ向けFlash Player
    デスクトップ向けFlash Playerは開発継続、モバイルブラウザ向けは開発停止。
  • Adobe AIR
    デスクトップとモバイルの両方でAIRをサポートする。
  • Flash Builder
    Apache Flexを利用したアプリケーション開発をサポートする。Apacheに寄贈したFalconコンパイラもいずれ取り込むかもしれない。一方、Apache Flex SDKのサポートを強化するため, デザインビュー, データ中心開発ツール、Flash Catalystワークフローは今後リリースするバージョン4.xでなくなる予定。
  • Flash Professional
  • AIR for Linux SDK
  • LCDS (LiveCycle Data Service)
  • LCCS (LiveCycle Collaboration Service)

Apacheに寄贈するかどうか現在検討中のもの

  • TLF (Text Layout Framework)
  • BlazeDS.NET
  • Gravity
  • FXG (Flash XML Graphics)
  • Squiggles
  • OSMF (Open Source Media Framework)

開発停止するもの

  • Flash Catalyst(Adobe CSにも同梱されなくなる)

Flashランタイム(Flash Player/AIR)の今後について

  • Flash Player 11.2とAIR 3.2を2012年第1四半期にリリースする。これらはいずれもSDK 4.6でビルドしたアプリケーションに対してテストをおこなう。今後リリースするFlash PlayerとAIRもFlex SDK 4.6で動作するようにテストをおこない、5年間は後方互換性を維持する。
  •  Flex SDK 4.6以前のバージョンについては、今後リリースするFlash Player / AIRでも動作することをAdobeが保証するが、これからリリースされるApache Flex SDKについてはApache Flex Projectが互換性と動作保証について責任を持つ。 
  • これまではFlexアプリケーションのニーズに応えるためにFlash PlayerとAIRに機能を追加してきたが、今後はAdobeのFlashプラットフォームのビジョンを実現するために機能強化していく。Apache Flexプロジェクトが新機能を利用することもあるだろうが、Apacheプロジェクトのためだけにランタイムに新機能を追加することはない。


以上。

2012/02/25

Flah Playerのロードマップ

先日Flash Playerのロードマップ(Adobe roadmap for the Flash runtimes)が発表された。簡単に言うと、今回のロードマップで表明されたのは以下の2点だ。

(1) Adobeは今後、ゲームと高品質ビデオ向け機能の開発に注力する。
(2) 同時にアーキテクチャと言語にも改善を加え、Webと各種モバイルデバイスで最高のエクスペリエンスを提供していく。

ただし、ゲームとビデオ分野にフォーカスすると言っても、既存のコンテンツが動かなくなるとか、これら以外の分野でFlashが使えなくなるということではない。今後の開発とバグ修正に当たって、これらの分野の優先度が高くなるということである。ロードマップの原文は英語だが、ここのページは日本語でよくまとめられているので、時間がなければこっちだけ見れば十分だろう。

ゲームでもなくビデオでもないビジネスアプリケーション開発者としてはあまりありがたくない方向性だが、内容をよく見てみると必ずしもゲームとビデオ一辺倒というわけではなく、最悪の事態は免れたという印象だ。一時はこのままレームダック化してしまうかもと思ったが、マルチスレッド対応などコアな言語機能のエンハンスなども計画されており、順調に行けばこのまま現役で存続しそうだ。

ちなみにこれとは別に先週公開された「FlexについてのAdobeの見解と今後の関わり方」(Adobe's view of Flex and its commitments to Flex in the future)という文書では、Adobeは相変わらず「Flexは企業アプリケーションおよびデータ中心アプリケーション開発にベストなソリューション」と謳っている。ゲームとビデオにフォーカスしたランタイム上で動作する企業アプリケーションとなって妙な気分になるが、とりあえず深いことは考えないことにしておこう。



2012/02/22

Flash Playerのバージョン確認方法

Flexアプリケーションを開発していると、ときどき今実行しているFlash Playerのバージョンが確認したくなることがある。そんなときに便利なのが、AdobeのFlash Player の状況確認ページだ。単にブラウザでこのページにアクセスするだけで、インストールされているFlash Playerプラグインのバージョンがわかる。

このページを開くと下のような画面が表示される。ちょっとわかりにくいが、ページの中ほどの「Flash Player のバージョンを確認」というセクションに「Version Information」という欄があり、そこに「You have version 11.1.102.62」とあるのがバージョン番号だ。どういうわけかここだけ英語になっている。


バージョン番号の右側に赤い大きな文字で「最新バージョンは11.1.102.62です」のように現時点での最新版のバージョン番号も表示してくれるので、インストールされいてるFlash Playerが最新版かどうかもわかる。

気をつけなければならないのは、これはブラウザのプラグインとしてインストールされているFlash Playerのバージョンだということ。なので、Internet ExplorerとFirefoxで異なるバージョンのプラグインを使っていると、表示されるバージョンは当然違ったものになる。

このページの難点は、今使っているFlash Playerがデバッグ版かリリース版かがわからない点だ。一般のユーザーであればデバッグ版を使うことはあり得ないので問題ないが、アプリケーション開発者の場合はこの2つの違いが区別できないと困る。そういうときは、本ページの本家本元である英語版のページに行けば良い。

Flash Playerのバージョン確認ページ(英語サイト)
Check the status of Flash Player version

こちらには下のように日本語版のページにはない開発者用の情報が追加されていて、Flash Playerのバージョンのほか、デバッグ版とリリース版の区別、OSの種類とバージョン、Video/Audio/ローカルファイル入出力がそれぞれサポートされているかどうかまでわかる。というわけで、じつのところ日本語ページではなく英語ページだけ使えばいいだろう。

2010/02/11

AIR 2ベータリリース!

Adobe Labsのこちらのページによると、今月2日にAIR 2のベータがリリースされたようだ。リリースノートを見ると、ネイティブプロセスサポートだの、トランザクションだの、盛りだくさんの機能強化のようだが、ビジネスアプリケーションを開発している者として一番ありがたいのは、印刷機能が相当に改善されたこと。


こっちのページに印刷の新機能紹介のビデオがあって、簡単なデモも見れる。これによると、今回追加された主な機能はだいたいこんなところだ。
  1.  Macでもベクタ印刷が可能になった(これまではWindowsだけ)
  2. ビットマップ印刷の品質が大幅に改善された
  3. プリンタの情報が取れるようになった
去年Flexで印刷と印刷プレビュー機能を持つプログラムを作ったのだが、Flexの印刷のあまりの低機能ぶりに悩まされたものだ。まずビットマップの印刷品質が良くない。ビジネスアプリケーションなので大した品質を要求しているわけではないが、Excelみたいな普通のWindowsアプリケーションと比べて明らかにしょぼい。ま、それは我慢するとしても、最悪なのは印刷前にプリンタの紙の大きさや向きが取得できないことだ。印刷するとき、ユーザーは普通、まずプレビュー画面でイメージを確認してから印刷する。しかしFlexでは印刷するときまで紙の大きさや向きがわからないから、プレビュー画面を正しく表示できない。しょうがないので、プレビュー画面では、プリンタとは無関係に用紙の大きさや向きを変えられるようにし、そこでユーザーが「印刷」ボタンを押したときに印刷ダイアログを表示して、ユーザにプレビューのときと同じ設定(たとえばA4縦)を選択して印刷してもらうことにした(この印刷ダイアログが印刷する瞬間まで出せないのだ)。もしこのとき、ユーザーがプレビュー画面とは異なる設定を選択してしまうと、プレビュー画面とはまったく異なる形で印刷されてしまうが、それはもうどうにもならない。

このときは幸いにも試作プログラムだったので、実際にお客さんに提供することはなく、文句を言われることもなかったが、ビジネスアプリケーションに印刷はつきものなのでここを何とかしてもらわないと、Flex/AIRはちょっと使えない。というわけで、今回AIRで印刷周りが大幅に機能強化されたのはとても心強い。

ただ残念なのは、機能強化されたのはAIRだけで、Flexは今までどおりということ。PrintJobクラスのベータ版のオンラインマニュアルを見ても、新機能はFlexでは使えなさそうだ。セキュリティの関係でブラウザにホストされたFlexアプリケーションからはプリンタにはアクセスできないのかもしれない。ActiveXコントロールであればブラウザにホストされていても(少なくともやろうと思えば)ローカルのプリンタにアクセスできるのだが、、、Macとかの他の環境だとダメなのか、それともやってやれなくはないがセキュリティ的に自粛しているのか、、、。

2009/09/28

FlashとSilverlightのプラグイン普及率

RIAstats.comによると、この文章を書いている時点でのFlashとSilverlighそれぞれのプラグインの普及率は次のとおり。
 Flash:       97.19%
 Silverlight: 27.30%

ただし、この数字はFlash Player 6とか、Silverlight 1.0などの古いプラグインも含まれている。そこそこ新しいプラグインだけで見ると、次のようになる。
 Flash:       95.60% --- 15.39%(ver. 9) + 80.21%(ver. 10)
 Silverlight: 25.64% ---  5.95%(ver. 2) + 19.69%(ver. 3)

こう見てみると、やはりFlashの方が今のところはまだ圧倒的に普及している。InfoQのWeb記事「Flash is Dominating the Landscape, but Silverlight is Growing」に、半年ほど前の数字が紹介されている。
 Flash:       95% --- 42%(ver. 9) + 53%(ver. 10)
 Silverlight: 19% --- 19%(ver. 2)

このときはSilverlight 3はまだ出ていない。ちなみに、Silverlight 1.0は、この時点でわずか2%。

こうしてみてみると、Silverlight 3とFlash Player 10がここ半年で大きく伸びていることがわかる。Windows 7にはSilverlightが搭載されるようなので、Silverlightプラグインは今後さらに普及が加速するかもしれない。

この統計を取っているRIAstats.comというサイトは、一般のウェブサイトにプラグイン検知のJavaScriptを埋め込み、そこから情報を収集しているらしい。完全に自己資金で運営しており、利害関係はないとのこと。ちなみに、このサイト自体はFlashで作られている。さすがにせいぜい25%の普及率では、Silverlightで作るわけにはいかないようだ。
 
 

2009/06/23

Blueprint - Flex/flashサンプルコード検索プラグイン

BlueprintというFlex Builderのプラグインを見つけた。キーワードを入れると、サンプルコードを検索してくれる。それだけならGoogleのソースコード検索と同じだが、Flexのプログラマにとっては、Blueprintは次の点でGoogleよりもずっと良い。
  1. Flex Builderからショートカットキーですぐ呼び出せる
    Windowsの場合、Flex Builderの中で直接Altキー+Bを押せば、検索テキストボックスがポップアップ表示される。先にキーワードをハイライトしておけば、そのキーワードでそのまま検索が実行されるので、さらに便利だ。

  2. 検索結果がFlex/flashのサンプルコードになっている
    検索にヒットするのは、Flex/flashのコードばかりだ。だから、検索結果はおおむね期待に近いものになる。

下の図は、"RemoteClass"というキーワードをハイライトして検索したところ。ちゃんとFlexに関連するサイトがヒットしている(画像クリックで拡大)。

ちなみに、同じ"RemoteClass"をGoogleのソースコード検索で検索すると、このようにJavaばっかりヒットする。違いは歴然だ。

 

2009/05/10

SWFとSWCの読み方

"Flex 3 in Action"を読んでたら、swfとswcの読み方が載っていた。今までそのまま「エスダブリューエフ」とか「エスダブリューシー」とか読んでいたのだが、間違っていたようだ。本当はswfは"swiff"(スウィッフ)、swcは"swick"(スウィック)と読むのが正しいらしい。

ふと気づいて今Googleで検索してみたら、"スウィッフ swf"は結構ヒットするけど、"スウィック swc"はわずか4件しかヒットしない。やはりあまり知られていないらしい。

07/02/2009追記
あともうひとつ、swzというのもあった。これはどうやら"swiz"(スウィッズ)と読むようだ。